冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「そういえば、もうすぐ誕生日だな」
「そうですね。至さんも」

 俺たちは、偶然にもふたりとも七月生まれ。誕生日は芽衣が十九日で、俺は二十九日だ。

「間の二十四日がちょうど日曜日だから、その日にお祝いするか」
「そうしましょう。ただ私、午前中だけ出かける用事があるんです、成優をお願いしてもいいですか?」
「ああ、わかった。成優と一緒に、芽衣をどうやって喜ばせるか考えてパーティーの準備をするよ」
「ふふっ、楽しみにしてます」

 にっこり笑った芽衣の表情に、先ほどのような翳りはもうない。

 俺はホッと胸を撫で下ろし、先月からすでに計画を立て始めている、芽衣への誕生日プレゼントに思いを馳せる。彼女に内緒で、実はあるサプライズするつもりなのだ。

「ママ、ねむい……」

 そんなことを思っていると、成優が目をこすりながらダイニングにやってくる。

 俺はすぐに立ち上がろうとした芽衣に「俺がやる」と宣言し、皿に残っている夕食を急いで食べた。

 寝かしつけは意外と疲れる育児のひとつだが、成優が眠くなる時間は大体俺の食事中か入浴中。

 夕食作りと同じく芽衣に頼ってしまうことが多いので、代われる日は代わりたい。

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