冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

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 至さんとの出会いは三年前。私、観月(みづき)芽衣が二十九歳を迎える年の春だった。

 三歳年下の妹は、片想いを成就させて職場結婚。地元の友人たちも次々結婚・妊娠・出産を経験していき、焦っても仕方がないとはわかっていても、拭えない焦燥感に駆り立てられ、婚活パーティーに参加した時のことだ。

 三月下旬の、春らしいのどかな日曜日。時刻は午後六時頃だった。

 都内のラグジュアリーホテルのバンケットルームで行われたそのパーティーは、胸に番号札をつけたりプロフィールカードに記入したりという堅苦しいルールはなく、気になる相手に気軽に話しかけられる立食スタイルだった。

 私はセミロングの髪をハーフアップのアレンジにして、全体をコテでカール。服は春らしいコーラルピンクの膝丈ワンピースを選び、元々大きな目を強調するように、メイクもいつもより華やかにしてきた。

 見た目だけは気合を入れてきたものの、やっぱりいきなり男性に話しかけるのは勇気がいる。

 食事をしながら周囲を窺いつつなかなかその一歩を踏み出せないでいたら、ひとりの男性が私の元に近づいてきた。

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