冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
意味深なセリフと、甘い眼差し。やっぱり、郡司さんって女性慣れしている?
彼にときめくなと何度自分に言い聞かせても、結局は彼の一挙一動に胸をかき乱されて仕方がない。
「それも冗談なんでしょう? どうせ」
苦し紛れにそう言って笑うと、郡司さんが突然テーブルの向こうから手を伸ばしてきて、指先でそっと私の頬に触れる。それから、意地悪く口角を上げた。
「冗談じゃなければいいって顔をしてる」
「か、からかわないでください……! 今日のパーティーは『捨て回』だと言っていたじゃないですか」
郡司さんはすぐに手を引っ込めたが、触れられた頬の火照りがおさまらない。
心臓が、痛いくらいに暴れている。
「言ったな。でも気が変わった。婚活パーティーにはもう出ないし、きみにも参加しないでほしい」
どうして、と心の中で問いかける。声に出していないのだから伝わるわけがないのに、郡司さんはそれに応えるように言った。
「俺と付き合ってくれないか?」
予想外の展開すぎて、ぽかんとする。けれど、徐々にその意味を理解して、じわじわと胸が熱くなっていく。