冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~
幸せの時間が終わる時
至さんと交際を始めて数カ月が経った頃。すっかり恋人らしくなった私たちは、週末を彼の自宅で過ごすことが増えた。
広くて快適な至さんのマンションに私がお邪魔して、手料理を振舞ったり、ネット配信の映画を見たり。もちろん、ベッドをともにすることもあたり前のようになっていた。
初めての夜、あまりに久々の行為に私はガチガチになって「ちょっと待ってください。あと三分」とか「やっぱり今日はやめましょう」とか往生際の悪いことばかり言って彼を困らせた。
至さんが好きすぎて、嫌われたくないからこそ、素肌を晒して体を開く行為に臆病になってしまったのだ。
「じゃあ、服は脱がなくていい。このまま触るから、いやだったら言うんだ」
至さんはそう言って私に口づけし、一枚も私の服を脱がさないまま、マッサージするような優しいタッチで、私の体をほぐしていった。
そのうち、服を着ているのがもどかしくなったのは私の方。
ショーツが下着の意味をなさない程の状態になってしまってから、脱がさないままの愛撫は彼の意地悪だと気がついた。