4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪太陽side≫
結衣ちゃんの左手の傷を見た時正直驚いた。
大雅が目が覚めるまでならまだわかる。
自分で傷つけていたのも分かっていた。
でも今日見たのは真新しい傷だった。
何をそんなに思い詰めているのだろうか…。
その日の夜、先に帰ってしまった結衣ちゃんに薬を届けるために俺は矢神家にやってきた。
榊「あ、太陽様。夜分遅くに…いかがなさいましたか?」
太「夜分遅くにすみません。結衣ちゃんいるかな?」
榊「結衣様なら先ほどご就寝なさるとお部屋に行かれましたが…」
太「ごめん!ちょっとお邪魔します!!」
榊「あ!太陽様!!」
俺は無理矢理家に上がり込んだ。
そして結衣ちゃんの部屋の前まで行くとノックをした。
でも何度もノックをしても返事はない。
本当に寝ちゃったのか…
と思うとお手洗いから物音がした。
行ってみるとお手洗いでぐったりしている結衣ちゃん。
太「結衣ちゃん!?どうしたの!」
結「なんでもない…」
太「結衣ちゃん!そんな何も言ってくれないなら俺も怒るぞ!?」
俺がそう言うと結衣ちゃんは黙り込んだ。
太「なんでそんなに無理ばっかりするんだよ…。そんなに俺たち頼りねぇのか?」
結「違っ……」
榊「結衣様…我々は結衣様の味方です。なんでもお申し付け下さい。」
結「だって…」
太「結衣ちゃん!!」
結「ごめんなさ……」
そう言って結衣ちゃんは走って逃げ出そうとした。
太「いい加減にしろ!!」
逃げ出そうとする結衣の腕を引っ張り俺が怒鳴ると結衣ちゃんは泣き出した。
琉「どうした…太陽来てたのか。」
秀「なんかあったの?」
すると部屋から出てきた琉生と秀。
太「ごめん。大きな声出して。」
俺が謝ると琉生は状況を把握したようだった。
琉「太陽と結衣…そのまま俺の部屋に来い。」
太「分かった。」
結「……。」
そのまま琉生に言われた通り琉生の部屋に行くと琉生のベッドに結衣ちゃんを横にした琉生。
琉「結衣はいつまで自傷行為を続けるんだ?」
結「……。」
太「気付いてたの!?」
琉「当たり前だろ。」
……なんだ。
相談するとか…しないとか…考えていた俺の苦労が水の泡じゃねぇか。
結「ごめんなさい…。」
結衣ちゃんは泣きながらそう言った。
琉「謝るだけじゃ根本的な解決にならないだろ。」
結「それは…」
太「結衣ちゃん…もう全部吐いちゃいなよ。今思ってること。」
結「……。」
黙り込む結衣ちゃんをみて琉生は考え込むような顔をしていた。
病気に関しては何とかできたとしても、気持ちの問題は俺らにはどうしても解決し難い。
せめて精神科医でもいれば……。
すると琉生は突然口を開いた。
琉「はぁ……。なんか考えてたら腹が減ってきたな。」
……は?
それ今言う!?
空気読めよ…。
琉「腹が減ったからなんか作ってくれねぇか?結衣。」
結「……え?」
琉「おにぎりでもなんでもいいから。太陽の分も頼む。」
太「え?待って!結衣ちゃん今さっき吐いてて…具合悪いんだよ?榊さんに頼めば……」
琉「俺は結衣の飯が食いたいんだ。」
え。何その謎のこだわり。
絶対おかしすぎるだろ。
こんな時にそんな突然空気が読めないような事を言い出すなんて…まるで…。
でも結衣ちゃんは起き上がりご飯を作りに行った。
辛いのに可哀想だろ。
でもそう思っていたのは俺だけだった。
琉「大雅が言っていたんだ……。」
太「え?なにを?」
琉「結衣が気に病んでる様子なら結衣になんか料理を作らせろって。」
太「え?なんで?」
琉「結衣は大雅が事故に遭った事を悔やんでいる。そんでもって家事もしなければ何もできない自分って考えるんじゃねーかってさ。」
その発想はなかった…。
でもその後、結衣ちゃんが作ってくれた料理を俺たちが美味しいと言って食べると結衣ちゃんは少しだけ笑顔になった。
結局結衣ちゃんが悩んでることは話してくれなかったけど…。
少しでも元気になったようなら良かった。
結局結衣ちゃんの事を1番考えているのは大雅ってことか…。
結衣ちゃんの左手の傷を見た時正直驚いた。
大雅が目が覚めるまでならまだわかる。
自分で傷つけていたのも分かっていた。
でも今日見たのは真新しい傷だった。
何をそんなに思い詰めているのだろうか…。
その日の夜、先に帰ってしまった結衣ちゃんに薬を届けるために俺は矢神家にやってきた。
榊「あ、太陽様。夜分遅くに…いかがなさいましたか?」
太「夜分遅くにすみません。結衣ちゃんいるかな?」
榊「結衣様なら先ほどご就寝なさるとお部屋に行かれましたが…」
太「ごめん!ちょっとお邪魔します!!」
榊「あ!太陽様!!」
俺は無理矢理家に上がり込んだ。
そして結衣ちゃんの部屋の前まで行くとノックをした。
でも何度もノックをしても返事はない。
本当に寝ちゃったのか…
と思うとお手洗いから物音がした。
行ってみるとお手洗いでぐったりしている結衣ちゃん。
太「結衣ちゃん!?どうしたの!」
結「なんでもない…」
太「結衣ちゃん!そんな何も言ってくれないなら俺も怒るぞ!?」
俺がそう言うと結衣ちゃんは黙り込んだ。
太「なんでそんなに無理ばっかりするんだよ…。そんなに俺たち頼りねぇのか?」
結「違っ……」
榊「結衣様…我々は結衣様の味方です。なんでもお申し付け下さい。」
結「だって…」
太「結衣ちゃん!!」
結「ごめんなさ……」
そう言って結衣ちゃんは走って逃げ出そうとした。
太「いい加減にしろ!!」
逃げ出そうとする結衣の腕を引っ張り俺が怒鳴ると結衣ちゃんは泣き出した。
琉「どうした…太陽来てたのか。」
秀「なんかあったの?」
すると部屋から出てきた琉生と秀。
太「ごめん。大きな声出して。」
俺が謝ると琉生は状況を把握したようだった。
琉「太陽と結衣…そのまま俺の部屋に来い。」
太「分かった。」
結「……。」
そのまま琉生に言われた通り琉生の部屋に行くと琉生のベッドに結衣ちゃんを横にした琉生。
琉「結衣はいつまで自傷行為を続けるんだ?」
結「……。」
太「気付いてたの!?」
琉「当たり前だろ。」
……なんだ。
相談するとか…しないとか…考えていた俺の苦労が水の泡じゃねぇか。
結「ごめんなさい…。」
結衣ちゃんは泣きながらそう言った。
琉「謝るだけじゃ根本的な解決にならないだろ。」
結「それは…」
太「結衣ちゃん…もう全部吐いちゃいなよ。今思ってること。」
結「……。」
黙り込む結衣ちゃんをみて琉生は考え込むような顔をしていた。
病気に関しては何とかできたとしても、気持ちの問題は俺らにはどうしても解決し難い。
せめて精神科医でもいれば……。
すると琉生は突然口を開いた。
琉「はぁ……。なんか考えてたら腹が減ってきたな。」
……は?
それ今言う!?
空気読めよ…。
琉「腹が減ったからなんか作ってくれねぇか?結衣。」
結「……え?」
琉「おにぎりでもなんでもいいから。太陽の分も頼む。」
太「え?待って!結衣ちゃん今さっき吐いてて…具合悪いんだよ?榊さんに頼めば……」
琉「俺は結衣の飯が食いたいんだ。」
え。何その謎のこだわり。
絶対おかしすぎるだろ。
こんな時にそんな突然空気が読めないような事を言い出すなんて…まるで…。
でも結衣ちゃんは起き上がりご飯を作りに行った。
辛いのに可哀想だろ。
でもそう思っていたのは俺だけだった。
琉「大雅が言っていたんだ……。」
太「え?なにを?」
琉「結衣が気に病んでる様子なら結衣になんか料理を作らせろって。」
太「え?なんで?」
琉「結衣は大雅が事故に遭った事を悔やんでいる。そんでもって家事もしなければ何もできない自分って考えるんじゃねーかってさ。」
その発想はなかった…。
でもその後、結衣ちゃんが作ってくれた料理を俺たちが美味しいと言って食べると結衣ちゃんは少しだけ笑顔になった。
結局結衣ちゃんが悩んでることは話してくれなかったけど…。
少しでも元気になったようなら良かった。
結局結衣ちゃんの事を1番考えているのは大雅ってことか…。