4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪結衣side≫



結「大雅兄!お誕生日おめでとう!!」

大「えっ……」

私がそう言いながらプレゼントを渡すと大雅兄は驚いた様子だったがすぐに状況を把握したのか笑顔になった。

大「そっか…今日俺の誕生日だったのか…。忘れてた。」

結「忘れてたの?」

大「結衣を楽しませようとばかり考えていたからな。」

結「もう…。大雅兄ったら…。」

そう言いながらも大雅兄らしいと感じてしまう。


大「プレゼント…これ…開けていい?」

結「もちろん!」

私がそう言うと大雅兄は包装紙を開封し、中身を見た。

実は少し奮発したやつ。

前までの私ならあり得ないほどの贅沢だが、今はバイトもせず豊かな暮らしをさせてもらっているからこそ、もともと貯めていた貯金で買えたものだ。



大「腕時計?」

結「うん!大学生だし、これから必要かなぁと思って!」

大「サンキュー!」

結「実はこれ…お揃いなんだぁ♪」

私が今日つけてきた腕時計を見せると大雅兄は笑顔になった。

大「じゃあ俺も早速つけなきゃな!」

そう言って大雅兄はすぐに時計をつけてくれた。


……嬉しい。

大雅兄とのお揃いがどんどん増えていく。

それだけで私の幸せな気持ちもどんどん増していく。



大「そーいえば結衣の誕生日っていつなの?」

結「えぇ!?私?そんな事気にしなくていいから早くケーキ食べなよ!」

すぎてしまった、なんて言ったらきっと大雅兄怒るんだろうなぁ。

それに私はお祝いしてもらわなくても充分幸せだ。


するとそんな私を見て大雅兄は口を開いた。


大「……お前のは?」

結「私は…大丈夫!」

大「ここ…カフェなんだしケーキくらいあるだろ。」

そう言うと大雅兄は私の分のケーキも注文してくれたのだ。


それからケーキを食べ終えると2人で少しお茶をした。


大「そう言えばあれからお腹の調子はどうだ?」

結「うん!もうすっかり!」

大「良かった…。ったく。次なんか少しでも体に違和感あったら俺に言えよ?まー琉兄や太陽くんに言うのが1番だけど…。」

結「もう大丈夫だよ~!」

大「ダメだ。すぐお前は隠すんだから…。」

結「う、うん。」

大「じゃ、まずお手洗いでも言って吸入器吸ってこい。」

結「え?」

大「顔色、少し悪くなってきてる気がする。」

顔色?私…なんとも無いんだけどなぁ…。


結「私は大丈夫だよ。」

大「ダメ。行ってこい。」

結「分かったよ…。」

いつもの優しい感じではなく少し強めの口調で言ってくる大雅兄。

一応ここは従っておこう。

私は席を立ち、お手洗いへと向かった。








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