4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪結衣side≫




昼休みになった。

うう…さっき転んだとこまだジンジン痛む。

派手にやってしまった。
保健室行った方が良いのだけれど…

消毒染みそう…。

あとで自分で水洗いだけすればいっか。


紗「結衣!一緒にお昼食べよ!」

結「うん!待って~今行く!」


最近仲良くなった紗希(さき)ちゃんが声をかけてくれたので私は怪我のことなんてどうでも良くなっていた。

前まで1人で食べていたお昼も、今ではもう1人の友達真央(まお)ちゃんと3人で食べている。

紗希ちゃんも真央ちゃんも結構気が強くてサバサバとしているタイプ。


そしてお弁当を食べていると

大「おーい!結衣!!」

いつもと違って少し怒った顔でやってきた大雅兄。

真「ほーら。王子の登場だよ、結衣。」

結「そんなんじゃ無いって!」

大「保健室はちゃんと行ったのか?」

結「保健室?なんのこと?」

大「足、見せてみろ。」


……え?なんで大雅兄が知ってるの!??

結「いや、これは……」

紗「え!結衣怪我してんじゃん!」

真「なんでうちらに言わねーんだよ。はやく保健室行っておいで!」


そう言って紗希ちゃんと真央ちゃんはわたしの背中を押してきた。

結「いや、私は大丈夫!あとで自分でやるから!」

私が慌ててそう言うと大雅兄はものすごい剣幕で私を睨み無理矢理保健室へと連れて行った。


大「ちっ。んだよ…。保健の先生居ないじゃん。」

結「じゃあ私あとで先生が来てからまた来ようかな!」

そう言って逃げようとしたがそう上手くはいかない。



大「逃さねーよ?放置した分俺がじっくりと消毒してやるからな?覚悟しとけ。」

この笑顔は…怖い。
笑ってるけど絶対怒ってるっ!


大「ほら、そこ座って。」

結「……」


座りたくない……。




大「座りなさい。」

結「はい…。」


大雅兄に怒られて渋々私が椅子に座ると大雅兄はしゃがんで消毒液をつけ始めた。

結「痛い!!もうおしまい!!」

大「ダメ。じっとしてろ。」


逃げようとしても逃げられそうに無い。


結「…グスン。」

傷口に染みる。

大「ほら。終わったぞ。もう泣くな。泣き虫。」

結「……違う……もん。」

私が強がってそう言うとさっきまでの怒ってた大雅兄とは違う優しい顔で私の頭をぽんぽんと撫でた。

















放課後。

結「ただいま~」

大「ただいま。雨やべぇ。」



放課後になって雨が降り出し、傘を持っていなかった私たちはびしょ濡れになって帰宅した。


結「私、タオル持ってくるね。」

琉「お前たち、今帰ったのか。ほらタオル。」

大「えっ。この時間に家にいるの珍しくね?今日休み?」

琉「あぁ…ちょっとな。」


私たちは琉生さんからタオルを受け取ると琉生さんはすぐに部屋へ行ってしまった。


……なんかいつもの琉生さんと違う気がする。


気のせいかな。











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