4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪大雅side≫





太「じゃあ、結衣ちゃん少し休んでてね。俺大雅の部屋にいるからいつでも呼んでくれて構わないから。」

そう言って太陽くんは俺の部屋に来る気満々だ。

別に良いけど……。

太陽くんはずっと兄ちゃんみたいなもんだし…。


俺の部屋に来るなり太陽くんは

太「結衣ちゃんと大雅って似てるよな。」

突然そう言い出した。


大「え!?どこがっすか?」

太陽 「目元とか。なんか似たようなオーラが出てる。……強がりなとことか、実は弱いとことか…な?」 

そう言って太陽くんはからかうようにニヤリと笑った。


大「全然似てないっすよ。そもそも俺らは義兄妹ですから…。」

太「義兄妹ねぇ…。一緒に生活してれば似てくるもんなんかなぁ。」


そう言って太陽くんは俺が出したお茶をごくりと飲んだ。




似てる…か。

嬉しいやら嬉しくないやら。






そんな話をしていると俺の携帯が鳴った。

結衣からだ。


出てみたけど返事はない。


嫌な予感がした俺と太陽君は結衣の部屋に駆けつけた。


そこにはうずくまっている結衣がいる。


大「結衣!」

太「結衣ちゃん。結衣ちゃん聞こえる?意識がない。大雅琉生呼んできて!」

琉「どうした。」


太「居たのかよ…。結衣ちゃん挿管する。サポート頼む。」

琉「了解。」



2人は結衣の処置を始めた。

結衣の青白い顔。

本当に大丈夫なのだろうか。


俺は不安でたまらなかった。


でも俺はこのことに関しては何も出来ない。

何もしてあげられない。

なんて未熟なのだろう。


早く大人になって、俺も医者になって辛そうな結衣を助けてあげたい。


そう思った瞬間だった。







結局結衣はそのまま病院に運ばれ、琉兄と太陽君が働く病院に入院することになった。




それから今日で1週間。

まだ結衣は目を覚ます気配がない。


学校へ行っても、家にいてもあまり生きた心地がしない。


学校では結衣と仲良い2人が結衣を心配して声をかけてくる。


何度もお見舞いに行った。



でも結衣は一向に目を覚さない。



なんでだよ……


なぁ……


大「はやく起きろよ。」



そう呟いてみても結衣は目を覚さなかった。


何でだよ!!


俺はこのまま結衣は目を覚さないんじゃないか、という不安で毎日イライラしていた。











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