4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪瑛斗side≫




結衣が載ってる雑誌が販売されてから何度も結衣について問い合わせが来たらしい。


本格的に専属モデルとして契約しないか話したいと言われている。


が、あれから結衣が体調を崩すようになり言い出せずにいた。


俺自身も撮影続きで忙しかったってのもあったが……


そしてやっと休みかと思えば結衣は入院していた。




結衣が入院してから家の雰囲気がものすごく悪い。


秀「大雅!お前今日も授業サボったのか!」

大「何でもいいだろ。」


琉「うるせぇな。」


太「まぁまぁ。」


大雅も授業をサボりがちになり、兄弟喧嘩が毎日のようにある。


にしても何で太陽君がうちにいるんだ?


普段あまり感情を表に出さない琉兄すらも少しピリついている様子。


こりゃ家にいるより仕事してた方がマシだな、とも思う。


でも結衣の意識が無くなった日からもう10日も経っているのに全然目を覚ましたと連絡も来ない。


やっと段々と馴染めてきたと思っていたのにな。



今日は予定もないし、このまま見舞いにでも行ってみるか。



病院について結衣のベッドの横に来てもずっと眠ったままの結衣。


瑛「はやく起きろよ。」


結「……」


管に繋がれている結衣はピクリとも動かない。

このままこいつ居なくなっちゃうんじゃねぇか。


瑛「お前はこのままで良いのかよ。」


はぁ…

そう聞いても返事が返ってくるわけねぇか。



何言ってんだ俺は。


こいつウチに来てから少しでも幸せだと思ったことがあるのだろうか。


家政婦のようにこき使われて

バイトも掛け持ちでしてたことあったっけ。


一番の原因は俺だけど……



俺らといるせいで妬まれ襲われそうになり。


他にも慣れない生活にストレスは多々あっただろう。


それなのにこいつはなかなか弱音を吐かなかった。



それがどんなにこいつにとって負荷になっていたか。


こいつがこんなになるまで考えたことなかった。


最低だな。俺。






早く起きてくれよ。
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