4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪琉生side≫


結局心当たりがあった看護師を探しても見つからず結衣の病室に戻る事にした。

するとそこにいたのはその看護師と大雅、結衣の友達であろう2人、そして傷だらけになった結衣だった。


その瞬間俺は頭は真っ白。

結衣を傷つけた看護師は2日前、俺に告白をしてきて振った人だったからだ。

俺のせいで結衣を傷つけた。

俺のせいだ。



一瞬で蘇る未結の記憶。

俺はどうしていつも大事なやつを…守りたいやつを…こんな目に合わせてしまうのだろうか。



そんな事を考えていると、


太「結衣ちゃん!??なんで…こんな…。おい!琉生!!しっかりしろ!!お前医者だろ!?」

その一言で目が覚めた。


琉「わりぃ……」

太「俺ストレッチャー持ってくるから、お前は早く止血しろ!」

琉「分かった。」


俺らはすぐに手当てに取り掛かった。


結「琉…生…さん。看護師さんの事…責めないで。怒らないで。お願い……」

結衣は泣きながらそう言った。

琉「分かった…。分かったから……。もうしゃべるな。傷に障る。」


俺がそう言うと結衣はゆっくりと目を閉じた。


太「よし、ストレッチャーに乗せるぞ。1、2、3。」

結「痛いっ……」

大粒の涙を流してそう言う結衣。

太「痛いね。すぐ処置するからね。」


それからすぐに結衣の処置が行われた。













その後麻酔が切れた結衣はすぐに目を覚ました。




結「………看護師さんは?」

目が覚めた結衣の第一声がそれだった。


琉「いるよ。」

看「ごめんなさい。私のせいで…」

刺した本人は結衣が目覚めたのを見て泣き崩れた。

本当に泣きたいのは結衣だろ。俺はそう思っていた。


琉「これから上に報告しに行く。問題ないな?」

俺がそう言うと看護師は頷いた。



結「待って!このまま…報告しないって…出来ないの?」

起き上がり痛みに耐えながらそう言ってくる結衣。

琉「まだ寝てろ!!傷が開くぞ!!それにコイツがしたことは立派な殺人未遂だ。」

結「コイツとか…殺人とか…そんな事…言わないで。お願い…だから内緒にしてて欲しい。」


何でコイツなんか庇うんだよ。

お前をこんなにも傷つけたのに。



こんなにも苦しまされて、痛い思いさせられてるのに…。


なんでだよ。


俺の頭は訳わかんなくなっていた。


でも結衣の目は真っ直ぐだ。


結「ごめん。この人と2人にしてほしい…。」

琉「でも…」

結「お願い!!」


結衣がそう言うと今まで黙っていた太陽が口を出した。

太「琉生、大雅。俺らは席を外そう。」


本当に2人きりにして良いのだろうか。


でも俺は太陽に言われてそのまま病室を後にする事にした。





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