4人のお兄ちゃんは王子様!?

≪結衣side≫







結「………。」


あれ?私…。



大「起きたか?」

私の目が覚めたとき、大雅先輩が顔をのぞいていた。

そのあまりの顔の近さに少し戸惑ってしまう私。

結「え!?あ、うん。。」


大「お粥…作ったけど…食えるか?」

と言って手に持っていたのは土鍋に入ったとても美味しそうなお粥だった。

それを見た瞬間、ありがたい気持ちと申し訳なさが入り混じる。

結「お粥!?ご、ごめ……」


私がそう言いかけた時、私の口元に大雅先輩の細くて長い人差し指を当てられた。




大「謝るの禁止。少しくらい頼れ。」  


その瞬間心臓がドキッとしてしまうのを感じる。



結「う、うん…」





大雅先輩の事…


こんな近くでまじまじと見たの初めて。








大「体起こせるか?」

そう言いながら私の背中に手を添えて起き上がらせてくれる大雅先輩。




結「ありがとう…」


なんか…


こう近くで見ると…
本当に顔整ってるなぁ。




まつ毛長い。





改めて大雅先輩がモテる理由わかる気がする。



かっこいいし…

優しいし。







本当に










王子様みたい。
















大「……もう良いのか?」




割と残してしまった……

せっかく作ってくれたのに食欲がない…



結「あとで食べる…置いておいて?」



大「あとで食うならまた作るから。」



結「でも…」



大「でも、は禁止。とにかく今はねてろ。」

だけど…こんなにも私ばかりゆっくりしていていいのだろうか。

私はこの家の犬…なんだもん。



結「みんなはご飯ちゃんと食べた?」



大「病人はなんも考えずに寝てりゃいいの!ほらっ!」



そう言って再び私の体を横にしてくれる大雅先輩。






大「まだだいぶ辛そうだな。」


そう言いながら大雅先輩は自分のおでこと私のおでこをピタリとくっつけた。




結「っ!?」


か、顔が……近い………


声にならないような声が出てしまうとゆっくりと大雅先輩は顔を離した。



大「まだ高いな……っておい!顔真っ赤だぞ!?さては…やらしーことでも想像した?」


結「ち、違っ!!」


大「冗談だよ。これくらい慣れろ。これから俺らの妹なんだ。じっくり可愛がってやるから。」



意地悪そうな笑顔でそう言ってくる大雅先輩に再び私の顔はみるみるうちに熱を帯びる。




うう…本当に心臓に悪い……



早く治さないと…


これじゃ悪化する一方だ……






それからしばらく大雅先輩は私の頭を撫でてくれた。



結「あ、あの…大雅先輩っ」


大「……」


結「大雅先輩?」


大「大雅先輩??」


結「へ?」


大「もう家族なんだ。先輩は無しだ。」



先輩…がダメなら…


大雅くん?大雅さん?


………なんて呼べば良いの!???



結「大雅にぃ…とか??」


大「……っ。べべ、別に俺がそう言われたいとかじゃなくて一般論としてだからな!」


結「確かに…じゃあみんなお兄さん呼びしなきゃだ…」


大「お、おう……。じゃ、俺ちょっとこれ下げてくるな。」


そう言って部屋を出ていく大雅兄。


なんか顔赤いし挙動不審…。



もしかして風邪移しちゃったのかな……。

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