4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪大雅side≫
…………。
心臓止まるかと思った。
#結衣__アイツ__#のことだから『大雅さん』とか言うと思ったけど……
『大雅兄』は反則だろ。
そんな事を考えながら下げた食器を片付けていく。
琉「は?お前顔赤くね?もしかしてお前も熱……」
大「そんなんじゃねーよ!!」
からかってくるような琉兄に俺が慌ててそう言うと琉兄はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
琉「………初々しいねぇ」
大「……は!?」
琉「なんでもないよ~」
ムカつく。馬鹿にしやがって……
あーもう。
琉「じゃ、結衣ちゃんの点滴も終わったし俺もそろそろ仕事行くわ。お前も遅刻しないように行けよ。」
大「へーい。」
時間忘れてたけどなんやかんやもう7時半か…
着替えればもう学校も行けるけど…
俺が行ったらあいつは1人になるんだよな…
今日はサボろうかな。
そう思いながら俺は部屋のソファに横になった。
気づくといつの間にか眠っていて
再び起きたのは10時頃。
結衣の辛そうな息遣いだけが聞こえてくる。
眠っている結衣のおでこにそっと手を当てると……
ん?さっきよりまた更に熱上がってねーか??
薬ちゃんと効いてんのかよ。
結「ん……大雅兄??」
大「わりぃ。起こしちゃったな。」
結「大丈夫だよ。それより…え!?10時…学校は??」
そう言いながら焦って起き上がる結衣は顔も赤くてまだ辛そうなのがわかる。
大「起き上がんな。まだ寝てろ。」
結「もうだいぶ良くなったから大丈夫だよ?」
いや…どこがだよ…
大「とりあえず熱測れ。」
結「え…」
俺が体温計を渡すと嫌そうな顔をしながらも渋々測る結衣。
そして体温計がなると同時に結衣からとりあげた。
熱は40°C近い……
結「ちょっ…」
大「さっきもだけど…これのどこが大丈夫なんだっつーの。お前はなんの心配もしないで寝てりゃいいの!」
結「ごめんなさい…。」
大「ったく。手のかかる妹だよ。」
結「妹…」
大「妹だろ?」
結「そうだけど…大雅兄にそう言ってもらえると嬉しいっ!」
……っ!!馬鹿野郎。
そんな笑顔で言うんじゃねぇよ。
たしかにこいつは眼鏡がある意味で似合ってるのかもな。
そーいえば……
さっきから思ってたけど…
結衣の呼吸の音おかしくねぇか?
なんかゼーゼーいってる感じ。
風邪のせいならいいけど……
大「なぁ。結衣ってさ、喘息持ち?」
結「喘息??んー。言われた事ないよ?」
言われた事ない?
なら大丈夫そうか…?
大「ならいいけどさ…とりあえずもう寝てろ。お昼頃また起こすから。」
結「ぅん…ありがとう!」
そう言うとまだかなり怠いのか結衣はすぐに眠りについた。
にしても…
本当顔整ってるなぁ…
大「結衣…早く熱下げろよ。もう無理はすんなよ。」
って言ってみるけど…
眠ってる結衣には何も聞こえていなかった。