4人のお兄ちゃんは王子様!?
≪大雅side≫
それから2日経つと俺たちは退院した。
一応頭を打ったとのことで入院しただけだったから特に何かする事もなくただただ暇な入院生活だった。
そして俺は秀兄から住所を聞いて西条の家に来ている。
西「今さら何?仕返しでもしに来たの?」
大「違う。」
西「じゃあお叱りかしら。」
大「違う。俺はお前の話を聞きに来た。」
……そう。
結衣はあれ以来西条の話はしなくなったが、ずっと何かを考え込んでいる様子だった。
きっとあいつのことだから西条を心配してたに違いない。
西「わ、私は今さら話すことなんてないわよ!!は、早く帰って…」
大「じゃあ…なんであんなことしたんだ?なんで結衣にここまで酷いことばかりするんだ!?」
俺がそう尋ねると…
西条は声を震わせてこう言った。
西「そんなの……あの子が気に入らないからに決まってるじゃない!!」
大「気に入らない…?」
西「そうよ!!私はずっと大雅様の事見てきた!!初めて会った日からずっと!!だから同じ高校に行くために勉強もして…ダイエットもして……それなのに…あの子は……」
……ダイエット?
大「……もしかしてお前…」
西「そうよ……。河原で虐められていた私を貴方が庇ってくれたあの日から……私はずっと…大雅様の事……」
そう言って泣き出した西条。
…覚えている。
どのくらい前だろう……
「キモいんだよ!デブ!!」
河原の方からそんな声が聞こえて俺が見に行くと…
太り気味の女の子が3人の女の子に囲まれて鞄で叩かれてたり、暴言を吐かれたりしていた。
当時まだ気性が荒かった俺は弱いものいじめをしているそいつらがなんか許せなくて……
大「おいテメェら。ここ、俺の昼寝場所なんだけど。」
女「だからなんだよ。」
大「あぁ?聞こえなかったのか?早く失せろって言ったんだよ。一対一でタイマン張れねぇようなクズが。」
俺が睨むと女たちは逃げ去り、その太っている女の子はお礼を言ってきた。
「あ、ありがとうございました。」
大「いや、別に。ただ……いや。なんでもねぇ。お前もサッサと失せろ。」
……そう。
その時の太っていた奴が西条だったんだ。
大「…でもな。お前が結衣にした事はあの時お前がされた事と同じ事だ。」
西「……」
大「お前は傷つけられる痛みを知ってる。…なら、変われるんじゃねーのか?」
そう言うと西条はさらに泣き崩れた。
大「結衣は俺ら兄弟から酷い扱いを受けていた。それでも笑っていて……体調を崩してるのにも関わらず、誰のせいにもせず俺らが一方的に決めつけたヤラセでも一生懸命やろうとしてた。」
西「……」
大「アイツは…傷つけられる痛みを知ってるからこそ、相手を思いやる優しさがある。立ち向かう強さがある。あ、西条の事も心配してたぞ。」
西「私を……心配?」
大「あぁ……誰にも気持ちをぶつけられないまま、ただ俺らから遠ざけられて、忘れられていくのはあんまりじゃねーか、ってな。」
西「……バカなの?お節介にも程が……」
大「そんなバカだから…馬鹿正直で…相手のことばかり考える奴だから…アイツの周りにいる奴は心が救われるんだ。」
俺は真剣にそう伝えた。
西「バカみたい……。そんなの…叶わない。私は……大雅様が好きで好きでしょうがなかった。なのに…私は1番してはならないことをしてしまったのね。」
大「ありがとう。好きになってくれて。」
俺がそう伝えると西条は泣きながら笑った。
まるで何が心のとっかかりがなくなったような…そんな顔をしていた。
それから2日経つと俺たちは退院した。
一応頭を打ったとのことで入院しただけだったから特に何かする事もなくただただ暇な入院生活だった。
そして俺は秀兄から住所を聞いて西条の家に来ている。
西「今さら何?仕返しでもしに来たの?」
大「違う。」
西「じゃあお叱りかしら。」
大「違う。俺はお前の話を聞きに来た。」
……そう。
結衣はあれ以来西条の話はしなくなったが、ずっと何かを考え込んでいる様子だった。
きっとあいつのことだから西条を心配してたに違いない。
西「わ、私は今さら話すことなんてないわよ!!は、早く帰って…」
大「じゃあ…なんであんなことしたんだ?なんで結衣にここまで酷いことばかりするんだ!?」
俺がそう尋ねると…
西条は声を震わせてこう言った。
西「そんなの……あの子が気に入らないからに決まってるじゃない!!」
大「気に入らない…?」
西「そうよ!!私はずっと大雅様の事見てきた!!初めて会った日からずっと!!だから同じ高校に行くために勉強もして…ダイエットもして……それなのに…あの子は……」
……ダイエット?
大「……もしかしてお前…」
西「そうよ……。河原で虐められていた私を貴方が庇ってくれたあの日から……私はずっと…大雅様の事……」
そう言って泣き出した西条。
…覚えている。
どのくらい前だろう……
「キモいんだよ!デブ!!」
河原の方からそんな声が聞こえて俺が見に行くと…
太り気味の女の子が3人の女の子に囲まれて鞄で叩かれてたり、暴言を吐かれたりしていた。
当時まだ気性が荒かった俺は弱いものいじめをしているそいつらがなんか許せなくて……
大「おいテメェら。ここ、俺の昼寝場所なんだけど。」
女「だからなんだよ。」
大「あぁ?聞こえなかったのか?早く失せろって言ったんだよ。一対一でタイマン張れねぇようなクズが。」
俺が睨むと女たちは逃げ去り、その太っている女の子はお礼を言ってきた。
「あ、ありがとうございました。」
大「いや、別に。ただ……いや。なんでもねぇ。お前もサッサと失せろ。」
……そう。
その時の太っていた奴が西条だったんだ。
大「…でもな。お前が結衣にした事はあの時お前がされた事と同じ事だ。」
西「……」
大「お前は傷つけられる痛みを知ってる。…なら、変われるんじゃねーのか?」
そう言うと西条はさらに泣き崩れた。
大「結衣は俺ら兄弟から酷い扱いを受けていた。それでも笑っていて……体調を崩してるのにも関わらず、誰のせいにもせず俺らが一方的に決めつけたヤラセでも一生懸命やろうとしてた。」
西「……」
大「アイツは…傷つけられる痛みを知ってるからこそ、相手を思いやる優しさがある。立ち向かう強さがある。あ、西条の事も心配してたぞ。」
西「私を……心配?」
大「あぁ……誰にも気持ちをぶつけられないまま、ただ俺らから遠ざけられて、忘れられていくのはあんまりじゃねーか、ってな。」
西「……バカなの?お節介にも程が……」
大「そんなバカだから…馬鹿正直で…相手のことばかり考える奴だから…アイツの周りにいる奴は心が救われるんだ。」
俺は真剣にそう伝えた。
西「バカみたい……。そんなの…叶わない。私は……大雅様が好きで好きでしょうがなかった。なのに…私は1番してはならないことをしてしまったのね。」
大「ありがとう。好きになってくれて。」
俺がそう伝えると西条は泣きながら笑った。
まるで何が心のとっかかりがなくなったような…そんな顔をしていた。