ヒコウキ雲の恋〜悠夜編〜
「…なんでもないって…そんな言い方されちゃ嘘だって簡単に見破れちゃうよ。」
顔を中井に向けて
視線を絡ませると
力なく笑った。
「フッ…。お前は勘の鋭いヤツだなぁ?」
「先生…さっきの音なんだったの?」
中井は
もうわかってる
あの声だって聞こえないわけがない…
なのに
なんで?
なんでそんな目で
俺を追い詰めるんだ??
中井…
なんで
笑ってられるんだ??
「先生…?どうしたの?」
トンッ
と中井の手が俺の肩に触れた。
ドクンッ
「中井……」
首を傾げる中井にうまく目を合わせられない。