ヒコウキ雲の恋〜悠夜編〜




「……はぁー……」


俺が一人、戸惑っていると中井が深いため息をついた。


「あたしは、何言っても傷つかないよ?もう、死ぬんだから…」




なんでそんなことを言うんだ?


死ぬ?


そんなの誰が決めた?


さっきの医者か??


「あたし、あとちょっとで死ぬんだって…。看護師さんたちが話てるの盗み聞きしたの。」


「嘘だ。」


「嘘じゃないよ?本当のことなの…さっきだってお母さんに…」


ホラ、


全部聞こえてた…


「嘘だよ…。」


「嘘じゃないの!!!!」

なーにが


あたしに何言っても傷つかないよ?


だよ…




ムカつく…




そんなの嘘じゃねぇか…


泣いてんじゃん…




中井…




< 11 / 20 >

この作品をシェア

pagetop