ヒコウキ雲の恋〜悠夜編〜
「……はぁー……」
俺が一人、戸惑っていると中井が深いため息をついた。
「あたしは、何言っても傷つかないよ?もう、死ぬんだから…」
なんでそんなことを言うんだ?
死ぬ?
そんなの誰が決めた?
さっきの医者か??
「あたし、あとちょっとで死ぬんだって…。看護師さんたちが話てるの盗み聞きしたの。」
「嘘だ。」
「嘘じゃないよ?本当のことなの…さっきだってお母さんに…」
ホラ、
全部聞こえてた…
「嘘だよ…。」
「嘘じゃないの!!!!」
なーにが
あたしに何言っても傷つかないよ?
だよ…
ムカつく…
そんなの嘘じゃねぇか…
泣いてんじゃん…
中井…