ヒコウキ雲の恋〜悠夜編〜
『わかったよ。』
俺は、静かに病室を出て行った。
病院の屋上の茶色いベンチに腰をかけた。
丁度その時、夕日が沈む直前だった。
俺は、静かに沈む夕日を暫く眺めて
手に持っていた白い封筒に目線を移した。
そして、中から2枚の小さなメモを取り出して
目を通した。
その手紙には…
こう書かれてあった
――――
“先生へ。”
“突然だけど、先生に手紙を書くことにしました。
あれ?驚かないの?(笑
いや、驚くか…?
まぁ、それより先生にどうしても伝えたいことがあるんだ…。
あたしね?
先生に言われて気づいたことがあるの。先生、言ってたでしょ?
『傷つかない人間なんていないんだ』って…。
あれね?
確かにそうだと思うんだ…
でもね…?