ヒコウキ雲の恋〜悠夜編〜




「中井?」


俺は、中井の背中に呟いた。


「先生って知ってますよね??」


ニコッと微笑みながら振り返った。


「えっ?」


「あたしが、病気抱えてること…」


一瞬にして暗くなった彼女の顔。


俺は、黙って頷く。


「そっか。って当たり前だよね??担任だもんね。。」


彼女は、下を向いた。


「…ん…まぁな?」


俺は、窓側にあった机の上に座って空を見上げた。


さっき、綺麗に描かれていたヒコウキ雲は、今は赤く照らされていた。


「……あ。ヒコウキ雲。。」


彼女は、窓を全開にして顔を外に出した。


「きれーい。。」


ドキンッ


冷たい風が中井の髪をなびかせた。


中井は、微笑みながら空を見上げていた。


俺は、中井に尋ねてみた。

「空好きか?」


返って来た言葉は、予想してた通りの言葉…


「うん!」




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