ヒコウキ雲の恋〜悠夜編〜




「よぉ。中井!気分はどうだ?」


ベットの近くにあるパイプイスに腰かけて中井に微笑みかけた。


「気分は、先生が来てくれたから絶好調だよ♪」


無邪気に笑う中井を一瞬抱き締めたいと、思ってしまった。


ダメダメ…


俺は教師。中井は生徒。


手を出してはいけないんだ。


「あ、琉奈?母さん花の水かえしてくるから先生にくれぐれも迷惑かけないようにね!」


花柄の花瓶と花瓶の中に咲くカーネーションを持って中井のお母さんは病室を後にした。







………




気まずくなる空気を俺は無理矢理変えようと


「あ、そうだ。中井!お前勉強ちゃんとしてるかぁ?」


わざと明るくそう言って中井の顔を覗くと


「先生?」


真剣な瞳で俺を捕えた。




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