『request』短編集




四の五の言ってられないと思って、とりあえず走る準備をする。学生時代陸上部だったから、慣れたようにガチめのストレッチ。




さぁ次はふくらはぎを伸ばしてー…






「……何してんのお前」


「ふぅおっ!!?」






びびびびびっくりしたぁあああ!!!!



もう帰ったと思っていた蒼空さんが眉根を寄せて怪訝そうに私を見てる!!






「ちょ、ちょっとストレッチを!!」


「ストレッチ…?」


「駅まで走ろうかと思いまして!!!」


「この土砂降りの中を?」


「はい!!傘ないんで!!!」






見られた恥ずかしさよりも、帰る間際に蒼空さんと話せた嬉しさの大勝利。




帰ったと思ってたのにまだいたんだ!!

どこに行ってたんだろう?!!




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