『request』短編集
その日1日中、私はデスクに蒼空さんから貰ったジュースを飾っていた。
見る度に口角が上がってにやけてしまう。
そんな中チラリと蒼空さんに目線をあてれば
コピー機の前で紙が出るのを待っている姿が。
(あぁ…立ってるだけでもカッコイイ…)
もはや銅像として売ってないかな。その銅像がすっっっごく高い物だったとしても買ってしまいそう。
途中、何やら携帯を触り始めた蒼空さんは
電話が掛かってきたのか携帯を耳にあて、この部屋の外へと向かっていった。
その姿を目で追ってしまう私。
パタンと閉まったドアのガラスに一瞬だけ見えた蒼空さんは、なんだか柔らかい笑みを浮かべていた気がする。
(え、え。なに。なにっ!?今のなにーーーっ!?)
初めて見たあの笑顔。ふわりと柔らかく、とても落ち着いているような。
そんな笑顔を見れて大満足の私。
きっとあの笑顔を見れたのも私だけ。
今日は朝からついてる1日だ!