『request』短編集
シンプルめな格好で
髪の毛も下ろされてて
「なんでって、アンタがお願いしたんじゃないの」
「亜美そんなの言った~?」
「これよこれ!!」
ピラッとユーヤに見せられた1枚の紙。
「この紙にしっかりと書いてあるじゃない」
その紙は文化祭のチラシ。それはこの間こっそりユーヤのカバンに忍び込ませた物で、
『待ってるね、王子様♪』
と、目に入る位置に亜美が書き加えた物。
「だから、ちゃんと迎えに来てあげたわよ」
「湊ちゃんが行けってうるさいから~」なんて言い訳のような言葉。
けれど、
「似合ってるじゃん」
急な男口調に
男の顔をするから
「っ…………」
胸がキューーーンっと鳴っちゃって。