『request』短編集
『社員旅行 不倫』
深夜1時。
「………………」
私はパソコンを目の前にして、仕事をするつもりが勝手に指が動きそのような文字を打っていた。
しかも、躊躇わずに検索ボタンを押すというね。
パッと出てきた検索結果に
(社員旅行は不倫の温床…)
ああ…もう、嫌な文字を見つけてしまった…。
「はぁ~…」
机に頬杖をついて結構深めの溜め息。
違うんだよ?疑ってるわけじゃなくて、
(蒼空さんカッコよすぎるからさぁ…)
蒼空さんにその気がなくても女の人に群がられる性質なんだもん…
そんな人の妻になってもその不安は消えない。
しかもその社員旅行には、もちろんいつも仕事を共にしている女の人達もいっぱいいるわけで。
あの人のことだから絶対モテているだろうし、
その旅行で蒼空さんと……なんて考えている人もいっぱいいるだろうし!!
「ダメダメ!!絶対ダメ!!」
バンッ!とパソコンを勢いよく閉じて、
「明日早いから先に寝る」と言っていた蒼空さんの元に向かう。
寝室に向かえば案の定スヤスヤと眠る蒼空さんの姿。
(うっ……可愛い…)
普段はキリッとした顔をしているのに、寝ている時は無防備で可愛いんだ。
(………って、見に来たんじゃなくて!)
案の定見惚れてしまっていた私は、仕事を放ったらかしてまでやりたくなったことを今決行する。
ギシッ…
横たわる彼に跨って
彼の首元のボタンを外す。
見える素肌にドキッとしながらも、その肌に指先を触れれば彼の地肌は眠っているからか少し熱い。