『request』短編集
そんな1日も終わりを迎えるわけで
「お先に失礼します」
いつもより早く仕事を終わらせたらしい蒼空さんは帰る準備をして足早に会社を後にした。
その後を追いたい気持ちは山々なのだけど、まだ仕事が残っている私はもう少しやる事があって。
「蒼空~?……って、もう帰っちゃったか」
女の先輩が何やら蒼空さんに用があったみたいで
「私呼んで来ます!!!」
「えっ。ちょ、葵ちゃっ……行っちゃった」
なんだか私はまだ蒼空さんと一緒にいたくて
仕事がまだ残っているものの、蒼空さんと喋りたい一心で彼の後を追った。
さっき出て行ったばかりだもん!
まだそう遠くには行ってないはず!!