『request』短編集





「お、お疲れ様です!!」


「お疲れ様。」


「ここで何してるんですか?」


「ああ、ちょっと休憩」





そう言われると、なんだか疲れてるようにも見える。





「蒼空さんも先輩を抱えて部屋に?」


「ソーソー。」


「大変でしたね……あっ!私何か飲み物買って来ますよ!お水がいいですか?それとも甘いジュースがいいですか?」





疲れた身体なんて関係なし!


蒼空さんのためならなんだって出来ちゃうもん!!





「いや、いい。いらない」


「お気になさらず存分にこき使ってください!!」


「いいって」


「それともマッサージしましょうか!私これでも得意で───」







「葵。」




名前を呼ばれると、唐突のことにキュッと口が閉じた。





「今は気を張らなくていい。旅行くらいは先輩後輩気にせず楽しんどけ」


「で、でも…」


「教育担当の言うことが聞けないのか?」


「聞きます!!聞きました!!」





私の返事にニヤッと口角を上げて



意地悪な顔をするところも



……たまらなく好き。


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