『request』短編集
Dream or dream
Dream or dream
「………………」
「………………」
「………綾瀬さん」
「なに!浅川くん!!!」
「………………ちょっと、見すぎ」
「あ!隠さないで!!もったいない!!」
「(もったいないってなに……)」
ある日の夏休みのこと。大学が長期休暇に入り実家に帰省中の私、綾瀬陽菜は浅川くんの大学に遊びに来ています!!
これには色々と訳があって、
今日もいつもと変わらずなんでも屋に遊びに行ってたんだけど(もちろん浅川くん目当てで)
夏休み期間に入っているにも関わらず浅川くんの大学では週に1度だけ授業があるみたいで。
冗談混じり(割と本気)で「私も授業受けてみたいな~」って言ってみたら、
「綾瀬さんも…来る?」って!!!
あの浅川くんに誘われちゃったんです!!!
断る理由?そんなものあるわけがないですとも!!!
嬉しすぎて「行くに決まってるじゃがんす!」って語尾がおかしくなっちゃったくらい!!!
「横顔見放題だぁ~…」
「(また心の声漏れてる)」
自然とニヤけちゃうなぁ~
高校生の頃は後ろ姿を眺めることしかなかったのに今じゃ浅川くんの隣に座ってる。
……高校生の頃の私に言ってあげたいや。
少し大人になった今
浅川くんとの距離が縮まってるよって。