『request』短編集
授業が始まってからのちょっとの間、浅川くんはジーーーーッとガン見されていることに落ち着けないような感じだったけど、
(あ……真剣な目。)
少し経てば、
浅川くんは真っ直ぐ前を向いて
今までは見られなかった真剣な表情。
きっと、高校生の頃もこうやって授業を受けていたんだなって。今になって知る。
(どんな顔でもカッコイイ…)
見惚れる。とはこの事を言うんだ。
間違いなく、私は今、浅川くんに見惚れてる。
だって目が逸らせないんだもん。
ずっと見てたい。
目に焼き付けたい。
今日の夜、目を閉じれば
この姿が頭に浮かんで欲しい。
「綾瀬さん……」
「ん?なになにっ?」
「ほんと見すぎ。あと心の声漏れすぎ…」
苦笑い。
そんな表情でさえも新鮮っ!