『request』短編集
(あの捜索時間は一体なんだったんだ…)
ずっと身近にあったんじゃん。
はぁー…と小さく溜め息。
そして床に落ちた鍵を拾って葵さんに教えようとした………が、ぐっすりと眠るその姿を見ると起こすにも起こせない。
帰ってくれたら俺がベッドで寝れるんだけど…
(……………まあ、いっか)
そっと机の上に置いたそれ。
朝、起きた時にでも気づくだろ。
どこかホッと安心した心。
そして何故か一気に疲れがきた。
俺はベッドを背もたれに目を閉じる。
沈んでいた日は少しずつ上がってく。
朝まで、あと少し。