『request』短編集
「…………ん? あっ!」
「どうしたの?」
突然華が外を見て何かに気づいたみたいに声を上げた。
………なんだろう?
「みて!あそこ!!
蒼空と月姫ちゃんじゃない!?」
「え?どこ」
「あそこだよあそこ!
もう食べ終わったし会いに行こうよ!」
「え。」
「ほら!早く~」
嬉しそうに食べ終えたトレーを持って席を立った華。
俺はその後を少し気乗りしないままついて行く。
なんていうか………
合わせる顔がないというか。
「蒼空!月姫ちゃん!」
「え!?あれ!華さん!!」
「偶然だね!来てたんだ?」
「はい!久々に休みが被ったんでせっかくだし遊園地行こうかってなって!
あ!優さんもお久しぶりです!!」
「久しぶり」
「それから結婚おめでとうございます!」
「覚えててくれたの!?嬉しい~ありがとう!」
「もちろんです!!だって大好きな人達の結婚報告なんですから!!」
キャッキャッと盛り上がる華とその子。
俺はその姿を1歩後ろから見つめる。
すると、俺と同じように1歩後ろから2人を眺める人と目が合った。