『request』短編集
「あーー疲れたぁ~…」
午前はいつも通り忙しなく終わり、やっとの昼休憩。
会社近くの公園のベンチで1人、作ってきた弁当を片手に空を眺める。
私、たまにこうやって1人でぼーっとしてるんです。昼休憩とか特に…
(今日も失敗しちゃったなぁ…どうやったらミスを減らせるんだろう…)
つくづく仕事が出来ないなって、こうやってここで反省する。
(あーー…ダメダメ。凹んでちゃダメだよね。次から気をつけて…)
1人になると余計にテンションが下がっちゃう。
でも今は誰かとお喋りする気分でもないし…
「…………、あっ。」
落ちた気分で弁当を食べ進めていると
公園の外、袋を片手に歩く人が1人。
「い、泉くんっっ!!」
その人を見た瞬間に口から飛び出たその名前。
結構大きな声だったからもちろん泉くんも気づいてしまうわけで。
「あれ。葵さん」
「お、お…おっすー!!」
緊張していつもは言わないそれに身体がカッと熱くなった。
は、恥ずかしい…