『request』短編集
寒空の下、白い息を吐きながら何度もジャンプをするアイツの元へとやってきた。
「あっ、蒼空さんっ」
はぁはぁと息が乱れていて、
俺の存在に気づいたからか
やっと飛び跳ねることをやめた。
「あれを跳んで取ろうとしたわけ?」
「そうだけど…?」
ダメだった?
そんな顔をするコイツに眉根が寄る。
「取れるわけねぇだろ…お前、自分の身長何センチか分かってんの?」
「わ、わかってますよ!今日ちょうど身体測定したし!!1センチ伸びてたもん!!!」
「たった1センチ伸びたところで取れねーよチビ」
「くうっ…」
言い返せない。そんな顔をして睨むから俺は静かに溜め息をついた。