『request』短編集
「ほら、」
「な、なによ…」
「持ち上げてやるから」
「へっ!?い、いや!いいですよ!!」
頑なに拒否を示すコイツに苛立って
「あっ」
「え?…うわぁっ!?」
不意をついて持ち上げた。
「まって!おろして!!」
「ぎゃーぎゃーうるせぇな」
「だ、だって!体重もちょっと増えてたから……」
コイツはずっと体重がどうこうと騒いでるけど、だからなんなんだ。持ち上げた俺自身もその軽さに驚かされたというのに。
コイツ、ちゃんと飯食ってんのか?
そう思ってしまうほど。