『request』短編集
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「………………」
「(寝ちゃった…?)」
寝息は聞こえないけど。
部屋の中はとても静かで、
聞こえるのは時計の針の音くらい。
恐る恐る顔を覗き込んで見ると、泉くんの目はしっかりと閉じられていた。
あ、寝てる。
そう気づいて私はまた元の体勢に戻る。
(いつまでここに居てもいいんだろう…)
迷惑じゃないなら、本当にずっとここに居たい。
(気持ち……ちゃんと伝わったかな)
あれが私の本心で
あれが私の全てで
もう他に言い表すことなんて出来ない。
「…………好きです、泉くん」
どうか、今度こそは
ちゃんと彼に伝わってますように。