『request』短編集
その言葉を口にしてちょっと恥ずかしくなった私は空いてる手で頬を触る。
顔熱いや…
と。
「葵さん」
「ひゃあ!!?
……え、起きてたの!?」
その事実を知って私の身体はみるみる熱くなってく。
「いいいい今の聞いて…!?」
「うん」
「わぁーーーっ!!!」
は、恥ずかしい!!恥ずかしすぎる!!!
泉くんに気持ちを知られるのは初めてなんかじゃないけど恥ずかしい…!!
「葵さん」
「まって!見ないで!!」
必死に顔を隠す私。
空いてる手でどうにか隠してみるけど……
「葵さん」
「ッッ!!!」
身体を起こした泉くんにその手も掴まれてしまうと、泉くんは真正面から私を見た。
「うぅ…見ないで……」
真っ直ぐ見つめられて
私は無意識に目を細めてしまう。
目が合うときっと口から心臓が出る気がするから。