『request』短編集
「っ~~~!!」
「なんて……ズルいよな。
ごめん、やっぱり聞かなかったことに……」
「待つ!!!!」
「……え?」
「待つよ!!!
いくらでも待つに決まってる!」
「いや、でも」
「だって私のこと好きになってくれるでしょ?そんなの……待たない理由なんてない!!」
「ぅわっ…!」
私は何度泉くんを押し倒せば気が済むのか。
抱きつき、泉くんをベッドに沈めてしまう私。
「ほんと風邪移るって…」
呆れたようにそう言う泉くんだけど
そう言いながらも私の腰に腕を回すところとか
「もう今更だよ!」
恋愛じゃないとか言いながら
今も少しだけ私に揺らいでる気がする。
「移ったら、看病してくれるんでしょ?」
「………するよ」
「じゃあ1日泉くんのそばにいられるね」
「………………」
「だったら移ってもいいや~」
「………葵さんって」
「ん?」
顔を上げて下にいる泉くんを見つめれば
泉くんは私の頬に手を当てて
「こんなに…可愛かったっけ」
「へっ…!?」
「もっとよく見せて」
「っ~~!!!」
急な甘い言葉に
口から心臓が出そうになったのは秘密。
好きです、泉くん。
~完~