『request』短編集
けど、もちろん1つの布団に2人も入れば予想通りに狭くなるわけで。
「…俺やっぱいいわ。ソファーで寝る」
「だ…ダメ!!」
「なっ…!?離せって!!」
「せっかくあったまってきたのに出られると冷えるでしょ!!」
「何言ってんだお前は!!ちょっ…!分かったから離せ!伸びるだろ!!」
コイツに服の袖をこれでもかと引っ張られてイラッとした後、
狭いその空間で
「なんか寒くなってきた…」
「この部屋ちょっと冷えやすいからな」
微かにあたる月姫の身体はどこか冷たくて
その小さな身体を小刻みに震えさせるから
「…っ!?えっ!蒼空さんっ…!?」
「…こっち見んな。移るだろ。」