『request』短編集




そんな彼とは2年生になっても同じクラスになれた。






(今年こそは…!)






去年渡せずじまいだったバレンタインチョコを今年は渡せますように…!と、何度も何度も覚悟を決めるのだけど、その日になれば緊張で頭が回らなくなる。







そして、2年目も、渡せず。






放課後の教室で委員会終わりの浅川くんをこっそり待っていたんだけど、






「……あれ。綾瀬さん、まだ残ってたんだ」


「っ!!」






私の姿をしっかりとその綺麗な瞳に捕らえて




" 綾瀬さん "と名前を呼んでくれた彼に




喜びと緊張と動揺で
頭がおかしくなりそうだった。



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