『request』短編集
「浅川くん!」
今までずっと言えずにいた事を
その綺麗な瞳に目を合わせて
「大好きです!!!」
とてもシンプルだけど
やっと言葉に出来たんだ。
言葉とともに、綺麗に上手に美味しそうに出来たカップケーキを前に差し出す。
この時の浅川くんはキョトンとした顔を見せていて、
「……、……あっ…」
そんな浅川くんは私の手に持つカップケーキに気がつくと、頬を薄らと赤く染める。
私は、浅川くんのそんな姿を見るのが初めてだった。
「えっと……」
困ったように眉尻を下げる彼。
浅川くんの出す答えは
聞かなくても分かってる。