『request』短編集






「………ありがとう。でも、ごめん。」


「ううん!全然!!」






断られることは分かってた。



分かっていたけど、伝えたかったんだ。






「やっと言えてスッキリした!!」






もう後悔はない。


これで、私は、前に進める…。





言えたことにスッキリして安心したからか、涙が溢れそうになった。が、






「もしかして、1年前のあの日も……?」


「へっ!?」






浅川くんのその言葉に涙が引っ込んだ。






「お、覚えてたの…?」


「まぁ…うん。…ちょっと気になってて」






そっか。…そうだよね。
私、あの日何も言わずに逃げちゃったもんね。




< 49 / 225 >

この作品をシェア

pagetop