『request』短編集
正直言うと、月姫は酔うと稀に面倒臭い。
この電話のように
『全然キスしてくんないじゃん!!』
「してるだろ」
『してない!足りない!!物足りないーー!!』
普段は言わないようなことを、マシンガンのようにギャーギャーと吐き捨てる。
「……で、今どこなの」
毎度の事でもう慣れたものの
『すみません、お電話変わりました。今○○駅にいるので……』
毎度荒れて会話が出来ない月姫に代わり、同じ職場の人だろう男が電話に出る。
……その事実に毎度イラッときている俺の身にもなれよあのチビ。