『request』短編集
「ほら着いたぞ」
家に着いた途端にベッドへと向かう月姫。
フラフラと危なっかしい足取りで歩くから、案の定何かに引っかかってベッドに倒れていた。
「そらぁ…」
「なんだよ」
「キス、して」
「……したら寝ろよ」
さっさと寝て欲しいから、
酔っぱらいのコイツに軽めのキスを1回。
「違う、」
けど、コイツは寝ようとはせず
「もっと、甘いやつ」
俺の首に腕を回し
甘えた声でそう言う。
これだから、酔うと面倒臭い。