『request』短編集
「これ以上俺に妬かせると、噛むぞ」
そっと手を添えたのは、もちろん首元。
お前がさっき噛み付いた場所と同じ場所。
今でもいてぇーんだよ。
今度またこんな事があれば
この痛みと同様、俺もお前に噛み付いてやる。
「………、………」
まあ、その言葉がちゃんとコイツの耳に届いているのかは謎だけど
スースーっといきなり寝息を立てたかと思えば、どこか満足したような表情で眠りについていた。
勝手に暴走して瞬時に眠る。
その流れも、もう慣れた。