『request』短編集
約束は、ただの口約束にすぎない。
「………………」
毎朝、メッセージのない携帯画面を眺めてしまう。それは約束の5年が過ぎてからずっと。
(………捨てられたんだ)
その度に胸がギュッと締め付けられる。
もう私のことなんて忘れているんだ。
だから連絡がないんだ。
今までの幸せだった思い出も
あの時の約束もー…
毎日欠かさず身につけていたブレスレットにそっと手を添える。
『これを身につけて待っててほしい』
ねえ、それっていつまで?
私はずっと待ってるの。
その言葉を信じて待ってるのに……