『request』短編集
「う…っ……」
一度思い出してしまうと、彼との思い出が走馬灯のように脳内を駆け巡る。
私はなんて事をしてしまったんだろう。
彼を忘れるためには必要だった行動。
ただ、今となれば後悔でいっぱいに。
(……正しかった。あの行動は正しいの)
またツラい思いをするのが怖くて、そう思い込むようにもした。
思い出す度に
(違う。やめて。思い出さないで)
何度も何度も否定した。
彼とはもう繋がっていない。
なんの繋がりもない。
だからもう──────