『request』短編集
「川に……ですか?」
それから数日がたった今日、私はとある場所で依頼を出していた。
駅でこの場所を見つけて
考えるよりも先に足が動いてた。
私は彼の事を忘れたくてたまらないのに、
「どうか……よろしくお願いします…っ」
私の身体は急ぐようにこの場所へと向かってた。
どうか見つかりますように、と
願いを込めて。
自分でも自分勝手だと思ってる。
故意に投げた物。しかも川の中へと沈んだ物が見つかるなんて思ってない。
きっと見つからない。そう分かっていることだけど、少しでも希望を持てたら───。