『request』短編集
少しして、その場所から連絡が。
「ほ…ほんとですか!?」
奇跡だと思う。
故意に投げた物が、流されずに土の中から出てきたのだから。
少しぶりに見たブレスレットは少し汚れていたものの、変わらず『HIRO』の文字が見える。
「本当にありがとうございましたっ……今こうやって手元にある事が凄く嬉しいです。」
それを再び腕につけた時、その安心感に覚悟が出来た。
もう少し、彼を信じて待っていよう。
私の事を忘れていたとしても、
この見つかったブレスレットのように
いつかまた、あなたに会えたら。