『request』短編集
ニコニコと笑顔で
本当に美味しそうに食べてくれるから
「……これ、特別に。」
「えっ!いいの!?うわぁーい!!」
親に内緒で
こっそり、パンをあげることも。
「美味しい~!!!」
幸せそうにパンを頬張る姿に、
僕自身も嬉しくなって
もっと食べさせてあげたくなるんだ。
そして、ふと思い出す。
『湊。カップケーキくれた子にちゃんとホワイトデー返すのよ?』
母さんのその言葉。
2月も3月も
今までずっと無縁だったイベント。
それが今年、僕も参加することになった。