宛先不明ですが、手紙をしたためました。
困惑の言葉選び
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体育の授業が終わり、体育館から教室へ戻ろうと、楓と2人で渡り廊下を歩いていた。
先程までの授業のバスケでかいた汗が、控えめな風に吹かれて、少し冷える。
私が母親譲りの運動音痴な為に、ドリブルの仕方が不細工だとか、何も無いところで転んだだとか、楓には、そんな話で面白がられていた。
「華世は本当に見てて、飽きないねぇ」
楓が楽しそうに笑う。
私は、それに膨れて返すと、不意に楓が大きく欠伸をした。
「眠いの?」
「んん……、昨日、バイト結構、夜遅くまで入ってたから。今、疲れがきちゃったかも」
「大変だねぇ」
伸びをして答える楓を労る。
すると、突然、前方に数人が現れ、道を塞がれた。
体操服の私たちの前に、制服姿の4人組の女子。
あまり見覚えが無い子たちだ。
真ん中に立つ背が低くて、如何にも大人しそうな女の子が、手に四角くて、白い物を持っている。
このシチュエーションには、慣れてしまっているので、この後に何を言われるのか、大体の察しがつく。
案の定、大人しそうな女の子の隣に居る、見た目だけでも、気が強そうな対照的な子が、私を見た。
「あなた、1年D組の栗山さんだよね?」
「はい。そうですけど」
「この子、あなたと同じクラスの海藤くんのことが好きなの。でも、恥ずかしいって言って、いつまでも渡せなくて」
「は、はぁ」