記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
思い出せない記憶の中に生き続けている私が泣いている。
その時のことを思い出している私が、泣いてる。
「俺が日本にいられる時間は限られていたから、時間が許す限り俺は桐乃と一緒にいた。それで、いつでもニューヨークに来てほしいって伝えて、待ってるって話して、こっちに戻ってきた。俺の心もまるで置いて行くような感覚で、心が引き裂かれる思いだった。」
話の続きが聞きたくて、彼の目を見る。
「一か月後、さらに憔悴した桐乃がニューヨークに来たんだ。すべてを投げ出して、俺の元へ来てくれた。連絡はとってたけど、実際に桐乃を見て、もう絶対に離さないって誓った。」
紫苑は私の隣に座り、私と目線をあわせた。
私の頬に触れながら、少しずつ顔を近付ける。
「運命だと思った。もう離れられない。離したくない。まるではじめから俺たちの心はひとつだったみたいに、離れると痛いんだ。心も体も。苦しくて痛くてしかたないんだ。」
その時のことを思い出している私が、泣いてる。
「俺が日本にいられる時間は限られていたから、時間が許す限り俺は桐乃と一緒にいた。それで、いつでもニューヨークに来てほしいって伝えて、待ってるって話して、こっちに戻ってきた。俺の心もまるで置いて行くような感覚で、心が引き裂かれる思いだった。」
話の続きが聞きたくて、彼の目を見る。
「一か月後、さらに憔悴した桐乃がニューヨークに来たんだ。すべてを投げ出して、俺の元へ来てくれた。連絡はとってたけど、実際に桐乃を見て、もう絶対に離さないって誓った。」
紫苑は私の隣に座り、私と目線をあわせた。
私の頬に触れながら、少しずつ顔を近付ける。
「運命だと思った。もう離れられない。離したくない。まるではじめから俺たちの心はひとつだったみたいに、離れると痛いんだ。心も体も。苦しくて痛くてしかたないんだ。」