記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「すべてに意味があるのなら、私が今こうなっているのも、何か意味があるんじゃないかって・・・」
本当はつらいこともある。
苦しいこともある。

自分に嫉妬だってしてしまう。

でもすべてに意味があるのなら、今、こうして記憶を失っていることも、何か大きな意味があるのかもしれない。

「もしも意味があるのなら、俺も一緒にその意味を見つける。でも、俺にとっては意味があったかも。」
「どんな?」
興味が湧いて彼の方に身を乗り出す。

「前よりももっと幸せになるために必要だったって。それに、前よりももっと強く深くつながるために必要な意味だって感じる。」
確かに・・・。彼の言葉に納得しながら私はもう一度窓の外を見た。
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