記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
でも私の指輪は、事故の日以来、紫苑が自分の首からネックレスにしてさげている。
私の指にはめないのには、それこそ今の私に対する気遣いなのだろうということにも気づいていた私は自分からは何も言えなかった。
「前にプロポーズしたのも、ここだったんだ。」
「え?」
「妊娠が分かってすぐ。桐乃は戸惑ってたけど、俺はうれしくて自分だけ突っ走りそうだった。すぐにでも結婚したくて、すぐにでも桐乃と将来の話をしたくて仕方なかったんだ。まだつわりも始まってない時期にここで食事をしてプロポーズした。」
残念ながらその時の記憶すら私には残されていない。
同じ場所だと聞いて、部屋を見て記憶を呼び起こそうとしたけれど、それも無理。
「もう一度、プロポーズしたい。」
紫苑が立ち上がり私の座っている椅子の隣に膝をつく。
私の指にはめないのには、それこそ今の私に対する気遣いなのだろうということにも気づいていた私は自分からは何も言えなかった。
「前にプロポーズしたのも、ここだったんだ。」
「え?」
「妊娠が分かってすぐ。桐乃は戸惑ってたけど、俺はうれしくて自分だけ突っ走りそうだった。すぐにでも結婚したくて、すぐにでも桐乃と将来の話をしたくて仕方なかったんだ。まだつわりも始まってない時期にここで食事をしてプロポーズした。」
残念ながらその時の記憶すら私には残されていない。
同じ場所だと聞いて、部屋を見て記憶を呼び起こそうとしたけれど、それも無理。
「もう一度、プロポーズしたい。」
紫苑が立ち上がり私の座っている椅子の隣に膝をつく。